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認知症認定看護師の喜田川先生からのお話も4回目となりました。
今回はご好評を頂いた
介護中のご家族・ご親族の「困った!」について 第2回目をお届けします |
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困った!④ 同じような内容で頻繁に電話をかけてくる |
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認知症が進み、金銭管理が危うくなってきたため、近くに住む息子が通帳や印鑑一式を預かっている。しかし、毎日のように「通帳が無い!盗まれた」と言って電話がかかって来る。他にも「○○がみつからない」という電話も多い
どうしてそうなるのか?
・記憶障害により、通帳を預けたことを忘れてしまう
・大事なものが見つからないうえ、記憶を振り返っても思いだせず、
不安でたまらなくなっている←この気持ちを受け止めることが大切
ケアのヒント
・毎回同じように答える。
・空いた時間に、家族から電話を掛ける |
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六角僚子他(2018):認知症のある患者さんのアセスメントとケア.ナツメ社 より
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以下続く |
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困った!⑤ 使い切れないのに、同じものを繰り返し買って来る |
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アルツハイマー型認知症の80代女性はひとり暮らしをしている。週に1回娘が様子を見に訪ねるが、台所に未開封の食パンが大量にあった。どうしたのかと指摘をすると、本人も驚いて「何かしら。知らないわ」と言った。娘は思わず「お母さんが買ったんでしょ!」というと落ち込んでしまった。
どうしてそうなるのか?
・記憶障害により、前に買ったことを忘れて同じものを買ってしまう。
・棚や冷蔵庫に買い置きをしていても、そのこと自体を忘れてしまう。
ケアのヒント
・買い物に付き添うか、買ってきてほしいものをメモに渡す。
・「これ、少し貰ってもいい?」とさりげなく処分する。
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困った!⑥ 家の中でぼーっとして、何もしようとしない
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血管性認知症の80代女性。認知症は軽度の段階で、自宅からもの忘れ外来に通っている。しかし、認知症と診断されてから、毎日していた洗濯、掃除が滞ったり、一日中ボーッとテレビを見ていることが増えた。家族が外に連れ出そうとすると、嫌がる。
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どうしてそうなるのか?
・何かがおかしいと言う自覚はあるが、どうして良いのか分からず
困っている。
・記憶障害や推敲機能障害から、分からないことや出来ないことが
増えてきて、 何もかもおっくうになっている
・意欲が低下し、何もしたくない。
ケアのヒント
・会話を増やすなど、積極的に接する。
・得意だったことや好きな事を”役割”としてやってもらう。
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