 |
引き続き 認知症認定看護師の喜田川先生からのお話です
今回は
介護中のご家族・ご親族の「困った!」についてお答えします |
|
|
困った! ①デイサービスに行くのを拒む |
|
家族の希望で、デイサービスを利用することになった。しかし、朝送迎車が来ると施設に行くのを
頑なに拒み、何とか送り出しても、施設に着くや否や「帰りたい」といってそわそわする
どうしてそうなるのか?
・遂行機能障害により、これからすることの段取りがつかないうえ、知らない
人たちに車で連れて行かれることに強い恐怖を感じている。
・施設というなじみのない場所にいると不安が募り、家に帰りたくなる。
ケアのヒント
・最初のうちは短時間の利用に留める。
・少しずつ、職員となじみの関係をつくる。
・本人が力を発揮できる場を作ってもらう。
|
 |
|
困った! ②退職しているのに、仕事に行こうとする |
|
前頭側頭型認知症の70代男性。妻と2人暮らし。すでに退職しているが、毎朝同じ時間に起きて「会社に行く」と言い出す。車に乗り込もうとするため、妻は車の鍵を隠し、一緒に探すふりをして気がそれるのを待つが、いらいらして暴れることもある。
どうしてそうなるのか?
・前頭側頭型認知症に見られやすい常動行動の可能性がある。
・見当識障害により、本人は現役時代に戻っている。出社したいのに車の鍵が
見つからずイライラしている
ケアのヒント
・車に乗ることまでは許容する。
・別の行動に置き換える(例:下段の水やりをお願いする、食事の支度を手伝って
もらうなど)
|
 |
|
困った! ③自宅にいるのに「家に帰る」という
|
|
息子夫婦と同居しているアルツハイマー型認知症の80代女性。日中、息子は仕事に行き、嫁と家で一緒に過ごしますが、女性は決まって夕方頃になるとそわそわし出し、「そろそろ家に帰ります」「息子にご飯をつくらないと」と言って家を出ようとする。
どうしてそうなるのか?
・視空間認知障害により、今住んでいる家を自分の家と認識できていない。
・見当識障害もあり、ここがどこか分からないという不安から、自分の落ち着ける
場所(記憶の中の自分の家)に帰ろうとしている。
ケアのヒント
・帰りたい気持ちに共感する。
・気分転換になる言葉をかける(例:お茶でも飲んで、休みませんか?)
・一緒に出かけ、散歩をする。
|
 |